近年、自分の感情を適切に言葉で表現できない子どもが増えているそうです。これはゲームをしたり、動画を見ているスクリーンタイムの増加によって会話をする機会が減り、自己表現力が乏しくなっていることが要因のひとつだと考えられます。
乳幼児期は、感受性が豊かで、見たもの聞いたもの触れたものをどんどん吸収していくので、この時期から自己表現力を育むことは、他人と円滑にコミュニケーションがとれる協調性や社会性を身につけるだけでなく、高い理解力や判断力、思考力を培うことにもつながります。
子どもの自己表現力を伸ばすには、子どもの話を積極的に聞き、今の気持ちや考えを理解してあげることです。また、親自身も積極的に子どもに話しかけて感情を共有することがポイントです。
また、絵本の読み聞かせも効果的で、登場人物の気持ちに共感し、多彩な感情表現に触れることで、語彙力が身につき、自己表現の幅を広げることができます。
子どもが返答につまる場合や上手く気持ちを表現できずに考え込んでいるときは、決して急がせず、考える時間を十分与えることで、自分で考える力や判断する力が向上し、自然と子どもの自己表現力が養われていきます。乳幼児期に話をじっくり聞いてもらう機会が多い子は、他人の話に耳を傾けることができるようになります。
豊かな自己表現力を育むために、子どもの気持ちや考えを尊重し、親の理想を押しつけたり、先回りして何でもやってあげたりすることなく、子どもの話をゆっくり聞いて親子のコミュニケーションを深めるようにしましょう。